11.塗装の問題と対策
11-2.工程毎の問題 -ウレタンシーラー編-
現象 | 原因 | 対策・処理方法 | |
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上塗りの硬化不良 | タンニン、ヤニ、樹脂分個所の乾燥不良 | ①下塗りの塗布量が少ない ②シーラーの乾燥不良 ③配合比の間違い ④シーラーの選定違い ⑤素地の含水率 |
①適正な塗布量 ②一度に厚塗りをせず、十分な乾燥後に次工程に移る ③配合比は説明書通りにし、決して変えない。 ④一般材とヤニ止め用を区別して使用する ⑤含水率は一般的に5%前後 |
層間、下地の銀目 | 素地とシーラー、或いはシーラーとその上塗りとの剥がれ (特に導管の深い個所にキラキラして見える) |
①接着剤のニジミ ②含水率が高い ③着色剤、目止剤の乾燥不充分 ④シーラーの乾燥不充分 |
①塗料の木地への密着を阻害するものは塗装前に除去する。 ②含水率は一般的に5%前後 ③塗装全体の流れと、乾燥時間の厳守 ④乾燥時に通風をよくし、一度に厚塗りをしない |
ハジキ | 不均一な塗膜でところどころへこみや穴 | ①塗料の流動性が悪く、表面張力が高すぎる ②重ね塗り時のぬれが悪い ③導管のシール不足 ④シンナーの選定ミス ⑤被塗物に油脂、ワックス、水等が付着した時 |
①塗料の粘度を適正にし、シンナーも専用シンナーが望ましい ②①の対策と共に適正なスプレーガンの運行を ③目止不足の場合は再度目止作業を行なう。出来ない場合はシーラーの粘度を低くし、流動性を上げる。 ④塗装環境に適したシンナーを選定 ⑤異物が付着した場合、研磨、シンナー拭き等で異物の除去 |
ピンホール、穴 | 塗膜に生じた針状の穴 | ①高粘度のシーラーを使用した場合 ②不適当なシンナーを使用した時 ③急激に温度の高い場所に入れた ④2液型塗料の不均一な混合 ⑤硬化剤側の経時変化、増粘 ⑥素地の含水率が高い |
①シーラーの塗装では流動性が重要。塗膜厚が必要な場合は、複数回の塗装を行なう。 ②専用シンナーを使用し塗装環境に適したシンナーを選定 ③塗装直後に急激な温度変化は避ける ④塗料の配合は規定値を守り、十分に攪拌を行なう。 ⑤硬化剤は水分と反応するので、古いものや開栓して放置ていたものは使用しない。 ⑥含水率は一般的に5%前後 |
層間密着不良 | シーラーとポリエステル等の中塗りとの剥がれ | ①高湿度時の厚塗り ②被塗物の汚れ ③硬化剤の過剰 ④漂白剤の使用 ⑤シーラーの過剰乾燥 ⑥被塗物の高含水率 |
①一度に厚塗りをせず、適正な塗布量を守る ②異物が付着した場合、研磨、シンナー拭き等で異物の除去 ③配合比は説明書通りにし、決して変えない。 ④漂白剤使用後は水洗い等で漂白剤を除去し、漂白剤後の塗装専用シーラーを塗布し、必要であれば、その上にヤニ止めシーラー等を塗布する。 ⑤シーラー塗布後は使用説明書の密着時間内に次工程に移る ⑥含水率は一般的に5%前後 |
素地密着不良 | 素地とシーラーとの密着不良 | ①含水率の高い材料 ②被塗物に異物付着 ③着色、目止めの乾燥不良 ④目止剤の拭き残し ⑤接着剤のニジミ |
①含水率は一般的に5%前後 ②異物が付着した場合、研磨、シンナー拭き等で異物の除去 ③各工程毎に十分に乾燥した後に次工程に移る ④目止剤は十分にふき取る ⑤異物が付着した場合、研磨、シンナー拭き等で異物の除去 |