09.木材用塗料の種類
9-5.UV(紫外線)硬化型塗料
UV硬化型塗料は、硬化時間が秒単位という超高速で高硬度の塗膜が得られるなどの点で、木工塗装業界の最先端技術として注目され、家具、建材を中心に飛躍的な発展を遂げている。しかし、この塗装の前提条件としては塗料、塗装機、硬化装置と生産ラインをシステム化し、ある程度の生産量を確保することが必要となる。
この塗料の硬化の機構は、基本的には不飽和ポリエステルと同じラジカル重合であるが、そのラジカルの開始には光開始剤と強力な紫外線を用いる。
主剤になる樹脂には、不飽和ポリエステルまたは、用途によってアクリルオリゴマーが使用される。
【塗料の特徴】
◆長所
①1液性で可使時間の制約がない。
②塗料の硬化が数秒から10数秒と超速乾。
③無溶剤化、低溶剤化が可能。
④高硬度の塗膜が可能
◆短所
①光が照射されない部分は硬化をしないため、被塗物の形状に制約を受ける。
②塗装、乾燥設備投資が大きい。
③塗料単価が比較的高い。
④塗料によって、有害な成分を含む物もある。